ふたりのzakki

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とかくこの世は生きにくいのだ。

「女性と見なされること」になんとなく抵抗がある話(tobe)

当ブログの相棒・唯川ちゃんが息を吹き返した!!(クララが立った的な)
めでたいめでたい。今度コンビニでおにぎり選ぶときは赤飯を買おう。 

さて、今回はレスしてもらったので嬉々として答えていく記事です。

 

「女性」がキショい件

ハッ…主語を捉え違えて怒られそう!炎上案件!

tobeは「自営業25歳独身女性」なんですけれども。 …この字面キショいなぁ〜。ね、唯川さんや。

というtobeの発言。もう2ヶ月近く前の記事からだけど、思いつきではなく、日頃から思っていること。私が「女性である」って、なんだかキショい。

「どこがキショいのか分からない」という唯川さんと私は、付き合いが長い。私が化粧をしてショート丈のワンピースを着て、髪を巻いていた時代に出会っている。

ちなみに現在のtobeは、端的に言えばボーイッシュ。髪の長さは肩にも付かず、だいたい黒スキニーに白いオーバーサイズのTシャツを着て、スニーカーかヒールのない革靴を履き、背中は丸まっている(これは改善中)。

 

ので、これから言うことがさらにハテナマークを増殖させそうであるけれど、
tobeは女性であると見られることに昔から反抗的だ。 

事実なのだが、キモくて嫌なのである。
ほとんど掌握できているが、トゲトゲした変な毛虫みたいなのが心中にいる。

 

昨今に始まった話ではない

私と唯川ちゃんの間には、知り合った頃からの共通の友人がいて、彼はFtM性同一性障害・体は女性で産まれたが、心は男性)だ。
彼からカミングアウトされたのは、もう6年ほど前に遡る。私たちは大学生だった。

確かに、カミングアウトによって私の立場は「ただ授業で習った人」から「当事者の友達」に変わり、今まで以上にLGBT+の話題を意識的に受け取るようになったことには違いない。
「そもそも女性とは?男性とは?」と考えるようになったし、なるべく相手の性に囚われずにコミュニケーションすることを心掛けるようにもなった。

影響は受けたけれど、それよりずっと前、
コイツは私の中に幼いころからず〜〜っといたのだ。


最初の違和感は幼稚園生のとき。
ミニモニが流行っていた当時、幼稚園では何かにつけて保護者会の費用から記念品がもらえたのだが、女の子は問答無用で「ミニモニのイラストのハンカチ・鉛筆セット」であった。

一度も使うことなく、即座にすべて母に譲っている。
単純にミニモニ嫌いだっただけかもしれんけど。それはごめんって。

また、うちの父はザ・古典的なおっさんで「顔がゲイっぽい」というだけで人を気持ち悪がるような頭の硬い残念人間であるが、
「◯◯ちゃんも高校生になったらお化粧とかするようになっちゃうんだろうなァ〜」
という発言に、幼児であった私はひどく拒否感を覚えた。
(今回はこの発言内容の是非は置いておく。おじさん断罪してたらキリがない)

オラぜってえ化粧しねえ!と決めたのは齢・5歳にしてである。反抗期早。
心での宣誓どおり、私は高校生になってもほとんど化粧をしなかった。

 
 

お嫁さん・お母さんへの憧れ

そういえば、幼い女の子がテレビで「大きくなったらパパ(みたいな人)と結婚する」だの、「将来の夢はお嫁さん・お母さん」だのと言っているのを、何度か見たことがある。自分の周りにも実在した気もする。

あーそれ、思ったことないなあ。

これは最近になって気が付いた。25にもなると結婚や人生観の話題を友達とするのだけれど、ウェディングドレスを着たい!とか、結婚式はハワイがいい!とか(これは少々大人の発想か?)、子どもは何人欲しい!とか。なんかそういう憧れ的なやつ。

自分が女性としての人生を歩み、
お嫁さんやお母さんになり得るという事実に、割とまともに気がついていなかった。



自覚とは裏腹に女性になる身体

胸が膨らみ始めるのも、生理が来るのも、上背があったくせに周囲より遅かった。
…というのもあって、友人間では話題を共有できず(すでに終わってたっぽい)、家族の間では子どもではないがゆえに話しづらかった。

もともとの趣味として、インナーはグレーかネイビーかブルーで、リボンやフリフリなんか絶対ついてないやつを買ってもらっていたし、第二次性徴のすべてが喜びの感情を伴っていなかった。
初潮を父親に伝えていいか確認されたとき、私は迷わず断った。赤飯は大好きだけど我慢した。

なんかすげえ嫌だった。

いまも背中が丸いのは、育ってしまった胸をずっと隠そうとしてきたせいだと思う。自分で下着を買うようになって、盛りブラの真逆みたいな効果のものを調達した。
姿勢の改善を図ったせいか、最近効果が薄れてきている気がしているけど。


一旦"女性"に染まろうとしてみたハタチ前

高校三年生、体育祭のダンスでポニーテールをするために髪を胸まで伸ばしていた。美容院が面倒くさかったのが半分本音。ついでに初めてパーマも当ててみた。
化粧はロクに覚えないまま卒業したけれど、制服もスカートだったし、それなりに折っていたし比較的「女子」をできていた期間だった。

そこから大学序盤までの期間、
前述の通りヒールを履きワンピースを着てアクセサリーを付け、今思えばクソみたいなクオリティの化粧を施していた。

何も趣味が変わったとかではない。
ライブハウスに演者として出入りしていたのである。(ここ笑うとこ)

 「ライブハウス」と一口に言っても想像する雰囲気は様々だと思うのでご想像におまかせですが、私の戦っていた場所は「可愛くないと勝てない」みたいな場所だった。
超下位互換版・地下アイドル現場。品定めに来るおじさま方がじろり。
酒に酔って絡まれたこともあるし、音楽関係者かと思ってLINEを教えたらパパ活が始まりかけたこともあった。

女性を武器として男性を煽ることができなければ、売れる手立てがない。

私は「女性武器全ジャンル」において実力者ではなかったのに、諦め悪く3年ぐらいその世界にぶら下がり続けた。その間に髪型と服装がどんどん、幼くなった。成熟した性を見せることへの無意識の反抗だったと思う。

解放された今、小規模キャパのライブハウスは、できることならば二度と足を運びたくない空間に変わっていた。
最低でもホール、できればドームクラスのライブが見たいお。


「女の格好」をしているだけでナンパされてた

一方その頃に、渋谷で何度かナンパされた経験がある。髪が長くてヒールでスカートを履いているが、化粧もろくにしていないというのに。
ちなみに当時より今の方が渋谷に出る回数は多いけれど、髪を短くしてから一切誰からも声を掛けられていない。(なんとなく虚しい響きな気もせんでもない)

性格の微妙さは当時も今も変わっていない。所作も大差ない。体重も落ちたので今の方がスタイル的な見栄えはマシだ。

それでも結果が物を言う。きっと世の人は記号的に「"コレとコレを身につけているこういう形状の女性"が、引っ掛けるべき対象である」ということを、本能か環境のなかで刷り込まれているのだと思う。
それもそれで、微塵も本人見てなくてキショめだよね。

面白い検証結果だ。きっといまの私も明日長髪のウィッグでもかぶってスカートを履きハチ公に立っていたら、きっとすぐに声掛かるだろうさ。

声掛けられたからなんだって話だがな
…コロナだからナンパも下火かもしれないけど。

 


「女性と見なされること」になんとなく抵抗がある

話を戻して、まとめよう。
「女性がキショい」発言は、「不相応で高尚な、くすぐったいものを押し付けられている感覚」という意味合いであった。

・「女性としての人生」に対する意識が全体的にない
・「女性だから〜〜」という他人の感覚への違和感
・性的機能としての「女性」を求められる拒否感

という感じ。tobeは事実「25歳女性」なのだけど、その字面に想像される「らしさ」の手中にいる気が毛頭しない。
本当は「らしさ」なんていらいないのにね。

その事実が、個人的な性格が手伝って面白くて仕方ない(さすが唯川ちゃんご名答)。私は世の中をからかって遊んでいるのだ。お前らの手中には収まってやらんからな!


こんな年になっても、こんな人もいるんだということ。
居ていいんじゃないすかね、ということ。

自分はいまの世の中のままでも、この点において精神を病むことはない。
だけど、もっと多様なスタンダードが受け入れられるようになれば、「女の子らしくしなさい」なんて言われて苦しむことも、「女性なのにしっかりしてるね」なんて過小評価される屈辱も、味わうことなく済む子が増えるんじゃないかなーと思う。


押し付け合わず、ひとつにならず。
認め合うだけの、生きやすい世の中になるといいよね。

 

tobe

 


P.S. 祝!初の3000字越え。経歴説明みたいなの入る文章はそれだけで長くなっちゃうな。今日は本来、別のトピックで日記書こうと思ってたんだ。でもいたく平凡な話なのでボツにした。おもろい話、していこうぜぇ。